美しい翼を持った飛べない天使
部室内が響く。

「青く…」

美翼の肩に頭を置く。

「陰吏の言う通りだよ、

ただ寄り付いてくれる人に

縋り付いてる(すが-)だけだ、

努力もせずに今まで来たんだよ」

青太郎の腕を握る。

「青くんは

努力してないわけじゃないよ、

気付いてないの。

青くんがいつも私と陰吏が喧嘩しても

支えてくれた、それぞれ。

だから青くんに寄り付きたいんだよ、

私達が縋り付いてるの」

「陰吏、美翼、紫之…」

「大丈夫だよ、青くん大好きだから」


_紫之が見ているとも知らずに。


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