魔法の帽子


「わあ〜!瑠美ちゃん家、懐かしい〜!」


「魔遊、入ったら手を洗いなさいよ」


靴を足でぬいでポイポイとすてたあと、家の中を走り回ろうとしている魔遊に一声。


風邪は魔女もひくしね。


こっちに魔遊がいる間はあたしがちゃんと面倒を見なきゃいけないし。


「あ。雅人は手洗ったらこっち来て。」


「あ?」


「手当てするから!」


『瑠美さーん、俺は〜?』


「あんたは、怪我なんかしてないでしょ。魔遊と遊んどれ!」


『雅人〜、瑠美ちゃん俺の扱いひどくないっすか?』


「知るか」


「ヌマ!瑠美ちゃんって呼ぶな!」


『えー、可愛いのに〜。』


「絶対、ヤ・ダ!!」


お前みたいなヤツに言われたら鳥肌が立つわ!


「瑠美ちゃーん、あたし、ここで遊んでいい〜?」


遠くの部屋から魔遊の声がする。


「ほら、魔遊が呼んでるよ?」


ニヤリと笑ってヌマを見てみると、


『あ〜、もう!わかったっすよ!魔遊ちゃ〜ん!俺も一緒に遊ぶっすよ!』


ふう。うるさいの排除成功!


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