ALONES

豪華な装飾が施された、ただ広いだけの部屋の真ん中に、ポツンと佇む木製の円型テーブル。

周りの雰囲気に似合わないそれと対になったオンボロ椅子に座り、紅茶を一口飲めば小さく漏れるため息。



――いつもと変わらない。

いつもと変わらぬ残酷な日だ。



僕はたった独りきりの孤島で、相変わらず退屈な朝を迎えてしまった。





けれど、今日は気味が悪いほどにいい天気で。


僕の心はいつもとは違う。



空には青空が広がり、海鳥が囀り、心地の良い風が頬を撫でた。



…まるで、今日と言う日を祝ってくれてるみたいに。


そんな皮肉なほどに良い天気が、かえって僕の心を掻き毟り、急き立て、


僕は空になったティーカップを置き去りにしたまま、暖炉横に乾かしておいたフルーツナイフを手にし、外へと躍り出た。



本当に、いい天気だ。



それはそれは苛立つほどに。








それはそれは…苛立つほどに。


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