ALONES
―このまま泣いてしまうのだろうか。
しかし。
唐突に…僕の知るレイチェルが消えていくのを感じた。
目の前の少女が女性に代わり、大人になってゆく。
強く、強く、彼女はしっかりと僕を見据えて——
「笑って下さい。」
そう、言った。
「諦めないで、生きる事を。」
僕の細い手首に添えられた白い両手。
包み込むように、レイチェルは僕に伝えた。
「貴方の歴史は…国の歴史ではないはずです。」
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