密恋。~リスクのある恋~
 



「俺なんかを助けたってバレたら、堕ちるぞ?いいのか?」

「…アタシ元々堕ちかけてるから。問題ありません」

「へぇ?面白いな、お前。…じゃあ、俺ともっと堕ちてみるか」

「―――…」


アタシと悪魔はお互いにお互いの瞳の奥を見つめ合う。

…全く正反対の存在だというのに…

同類だと、感じた。


「―――…そうね、いいかも。黒く染めてよ」


アタシはゆっくりと悪魔の頬に口付ける。

治癒の間にすっかり邪気には慣れてしまって、むしろこのピリピリとする感覚が気持ち良くなっている。


「…、」


たった今私が癒した悪魔の背中…羽根の付け根に手を滑り込ませ、撫でる。

…ここは、どんな存在でも、感じる部位。


「…くっ。煽るの巧すぎだな。わかった。その白い羽根、汚してやるよ」


悪魔は喉の奥で笑い、アタシの羽根にスルリと手を滑っていく。

どんどん汚すように…。

それが私には気持ちよく感じた。

もっと、汚して欲しいと思った。



たとえ、どこまで堕ちようとも。



Fin.

 
< 47 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop