Black Beast.



「 ・・・柚菜 」


「 ん? 」


「 さっきの話、この件が
  片付いてからでもいいか 」



私の携帯まで壊してしまいそうな彼の手から
携帯を取り戻し、ポケットにしまいながら
私は小さく頷いた。



怒りをもうずっと抑えたままの彼が
壊れないか心配で、だけど
私にできることなんて分からなくて、歯痒い。



行くなって言うなら、
私は行かない。



だけど、連れて行くって言うなら
私は、ついて行く。
















「 ・・・・無茶、しないでね 」


「 ・・・・ああ 」




そんな声をかけることしか、
私にはできない。




< 143 / 336 >

この作品をシェア

pagetop