Black Beast.



「 あらら、壊れちゃったの? 」



割れた窓からひょいっと
入ってきた”ケイスケ”は
私を見て”可哀想に”と一言零し
私のすぐ横まで来ると
ガッ、と私の髪を掴み、引き上げた。














「 ケイ!!!お前・・・バカか!? 」




その瞬間、驚いたのかガタッと音をたてて
机に腰掛けていた彼がこっちまで来て
私の髪を掴んでいた手を離させた。




「 ねぇ、スナオ。
  自分の女をこんなにされて
  アイツ相当怒るよね?
  そしたら、強くなるよね? 」




力なくその場に倒れこんだ私の上で
そんなやり取りが聞こえてきた。




助けてほしい。




早く、助けに来てほしい。
玲央くんに会いたい。




会って直接、ごめんなさいって
一言でいいから言いたい。




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