Black Beast.



「 いい、その呼び方で 」


「 えっ・・・・ 」


「 なに?嫌なわけ? 」


「 ・・・・べ、別に 」



意地悪そうに笑った彼が
額に、頬に、キスを落として、



「 目、開けろよ 」



そう言われて、
反射的に閉じていた目を
そっと開けると、伏せた目と
バッチリ目が合った。



「 ~~~~~ッ 」


「 閉じるなよ? 」



唇が触れるその瞬間まで
”閉じるな”と言う彼は
恥ずかしくて死にそうな
私を見て楽しそうに笑っていた。






「 ─────────意地悪 」


「 褒め言葉だな 」



キスの後のちょっとした会話で、
心底意地の悪い人の彼女に
なってしまったんだと気付いたけど、



・・・・・もう遅かった。



< 87 / 336 >

この作品をシェア

pagetop