棄てられた女、狂女と化す
「ひさしぶり」

わたしは…

ロボットみたいにしゃべる。

あいつは、その口調に少し引き気味。

わたしはポケットに手をいれて、

ライターを取り出し手渡した。


「最後にこれに火をつけて」

わたしからの最後のプレゼント…

小さなクリスマスケーキ。

その上に、ロウソクがぽつりと1本。

「ふたりで、お祝いして」

やつは戸惑いながらも、

火をつけようとする。
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