俺は使用人、君は姫。
新しい仕事…?


「はい。」


「五年前の事を覚えているか?」


五年前…。

俺がまだ、姫様専属の執事だったとき。


「はい。覚えています。」


「あの時わしは、そなたの行いからして仕事を取り下げた。」


そう。

姫様の度重なる脱走を止められなかったから、王様がそのことを見かねて、俺は姫様の執事ではなくなった。


「だが、最近そなたは雑用係なりに、仕事に精を出していると、同僚の者から聞いた。」


は…?

一体誰が、そんなこと。


「そこで、だ。そなたを元の仕事に戻そうと思うのだが、何か意見はあるか?」


え。


「え、え、王様?今、何と。」


「元の仕事に戻そうと思うのだが…」


ふと、視線を姫にずらすと、口元に手を当て笑っていた。


「いえ、何も意見はございません。」


「そうか。なら、今日中に仕事を始めるといい。仕事の内容は…覚えているな?」


「はい。」


俺、また姫のもとに戻れるのか。

信じられないけど、嘘じゃないんだよな…。


「下がって良いぞ。」


「はい。失礼しました。」
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