締め切りは守ります~図書館で~【TABOO】
待ち合わせ場所に向かっていた足を図書館に向ける。




「彰に逃げられた?」
「千歳さん。まあ、はい」


藤堂千歳。藤井千というペンネームの漫画家。


「不良作家ばかり抱えてるから?」
「一番の不良作家は千歳さんだったのにね。今じゃ、一番のり」
「志織に会えたからね」
「千歳さんったら」



一年前。作家と編集が集まる新年会の二次会に呼ばれた私は藤井千─つまり、千歳さんと出会ったのだ。



それから数ヶ月。
「一番の不良作家は俺だよ」という千歳に少しでもあきちゃんと会える時間を作ってもらう為に禁断の部屋に足を踏み入れた。

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