ピエロ-私と中年男の記録-
自己
しばらく小指のおっちゃんとは会っていない。

向こうも私の気持ちに気付いたのかピエロに来ない。


新聞のおっちゃんとは、たまにピエロで会って楽しく話す仲になった。

妹も新聞のおっちゃんを気に入っていた。


新聞のおっちゃんは、離婚をしているらしい。

私は男も女も関係ない、ただ、
「友達」
を望んでいた。


歳が離れていようが、お互い好きな人が居ようが、相手に子供が居ようが。



「良い友達」を望んでいただけ。



その「友達」ってやつは、誰にでも好かれ…例えば子供が居ても、その子供にも好かれる。小指のおっちゃんみたいに自分の子供に睨まれないような。
私と友達であっても不快な思いをする人が一人も居なくて。
人生の先輩でもあり、尊敬できる友達。



でも、誰もそんな風には思っていなかったんだ。

私と中年の様子を見ても。


相手だって、クソガキを友達だなんて思わない。

私は「自己満足」の、「満足」ってヤツにたどり着きたかった。
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