ピエロ-私と中年男の記録-
きっかけ
一週間後、ピエロのママが言っていたお菓子のゲームが気になって、母に言った。

母は微笑んで

「良いよ。行こう。今夜は三人で行こう。」

今回は私の妹も連れていくらしい。


妹は小学校低学年で、把握していない様子だったが、私が説明したお菓子のゲームにはワクワクしていた。


いつものあの店に着くと、母からお小遣いをもらい、妹と、店に顔を出さず、ゲームへ直行した。


ゲーム機の中は、小さなラムネだらけだった。ラムネのみ。チョコやキャンディは1つも無い。そのときはラムネにテンションが上がり、何度も何度も小銭を入れた。確か、一回十円くらいで、百円あるだけで相当遊べた。


だいぶ時間が経ち、こんな夜遅くに外で妹とゲームで遊んで、自分が少し大人になった気がしていた。

調子に乗って、また母にお小遣いを貰いに行こうとしたとき、人の気配を感じた。


煙草臭い……??


ゲーム機に人が映っていることに気付いた。

子供ながら、

「やばい。」

そう思い、妹を自分背中で守ろうと振り向いた。


カシャン。


小銭をゲーム機に入れる音。
真横で大人が小銭を入れた。

近すぎて顔が確認できず、私はゆっくり見上げた。



先週会ったキラキラ目のおじさんだった。
< 3 / 38 >

この作品をシェア

pagetop