【短】恋の季節
「どうして?」

「んー。うるさいから? こっちの方がいい。」
頬杖をついて、つまらなそうに答える。


どくんっ。
…ここで"ドキッ"じゃないのが
また女子力の無さなんだけど。

本当に血液が体中をかけめぐるのがわかるような感覚に襲われる。

こっちって…。
わたしは関係ないのに。

心臓がうるさい。
あ…こっちも十分うるさかった。


…それからの小さな図書館は
毎日2人分の席がうまった。



そして秋は、わたしのなかで素敵な季節になった。
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