【短】恋の季節
…はい?

「…来ないんじゃ…」

「特に行くつもりもなかったんだけど。さっき連絡もらったから。」

…?
意外だな。
真っ先に誘われそうなのに。


友達に強制させられたのかな?
でも、あなたらしい。


「それより」
あなたが顔をぐいっと近づける。

「明けましておめでとうは?」

「あっ。明けましておめでとう」

「うん。今年もよろしく。」

…今年も、だって。

そんな小さなことが、すごく嬉しかった。


受験の年に、初めてあいさつを交わすのがあなただなんて。

なんだか幸先がいいな。

少し、不安が消された気がする。



それから、わたしのなかで、冬は
勇気をもらえる季節になった。
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