口実ピアス
隣の席の・・・
俺の左隣の席の竹井は変な奴だ

「何?篠田。また俺見てんの?」
人なつっこい笑顔でからかわれる
「お前じゃねーよ、ピアス見てんの。また穴増えてるし」

いち、にー、さん、しー、ごー・・・
げ。六個目開けてやがる

「痛くねーの?」

穴ナシの俺は素直な疑問で竹井に聞く

「ん?上の方は軟骨だからちょい痛いかな」

うーわー なんでそんな痛い思いして開けるかな?

でも、左は一個しか開いてない

「なんで右ばっかりそんな開けてんの?」



「なんでだと思う?」

俺が知るかよ・・・
「願掛けかなんか?」
テキトーに答えてみた

竹井が肩肘ついて『う~ん』と考える格好をとる

「ま、近いかな?」
気づいたらHRが終わって部活行く奴やら帰る奴やらで二人きりになってた

でもさ・・・、と竹井がピアスだらけの右耳に手を当てて言う
「こっち、もー開けるとこないから篠田俺と席交代しない?」

「は?」
なんの関係があるんだよ?
やっぱり変な奴

「左の耳見える方に席代わってよ」

??

「あんまり意味わかんねーんだけど」
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