空色のテロリスト

・驚くのは突然だからⅡ


7月はけたたましい。
セミがやんややんやと
鳴き始める。

それが好きだ。
すごく好きだ。夏。

今はまったく
楽しめる状況にないけどね。

あれから2週間たった。
あいつを視界に入れないよう
すれ違う時は
顔も合わさないようにして。

人前では一度も泣いてない。
親にも言わない。

泣くとしたら、夜、
布団に入ってから静かに
枕に涙をこぼすくらい。

強がって強がって。
そうでないとすぐにでも
崩れてしまいそうだった。

これまで何年も
あいつに心を割いてきたから
その想いを、
支えにもしてきたから。

学校でいじめられていた
あの頃も、
ヴァイオリンのことで
悩んでいたあの頃も、

とにかく学校が
大好きで仕方なかったのは
あいつに会いたかったから
だったんだな。

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