君の字 <<==短編==>>
言わなくちゃ伝わらない
 一年の時同じクラスになった、櫻木 那緒(サクラギ ナオ)。


 二年になっても俺と那緒は同じクラスになった。





 あれはいつだっただろう。

 俺の彼女、礼ちゃんの事を知った日は。




 別にどうってことなさそうに、

「早瀬の彼女って可愛いね!ラブラブでいいなぁ!」

 と、言ってきた那緒の顔が傷ついていたのは、いつだっただろう。




 なぜ那緒がそんな顔をするのかが、俺には分からなかった。




 俺は、那緒がそんな顔をする事を知っていながら、いろいろ彼女のことを相談していた。





 だんだん、那緒は彼女の話をしても傷ついたような顔をしなくなった。
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