一夜だけの禁忌


幸い今近くには誰もいない。本当に、最後のチャンス。


「そう、幹人くんの事好きだって気持ち、なんとかして」


まさかの言葉に一瞬言葉を失う幹人くん。


そりゃそうだ。


酔っ払って面倒なお局でしかない。


けれど……座敷のテーブルの下、幹人くんの膝があたしの膝にくっついた。


「いいんですか? 佐野さんから誘ってくれるなんて、今日は帰しませんよ?」


不敵に笑い、完全に男モードになった幹人くんに驚きながら、こくりと捕らわれる。


ピッと携帯の電源を切ると、2次会を丁重に断りまた駅で合流した。


そしてあたしと幹人くんは、まるでずっとそうだったみたいに、恋人繋ぎで街の一角に光る灯りの元へ。


最初で最後の思い出を作る為に……。






【END】


< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

始まりも、終わりも……

総文字数/1,137

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る
犯すタブー……綺麗顔した隣人と

総文字数/1,089

恋愛(その他)5ページ

表紙を見る
再会の君に手を伸ばす

総文字数/1,123

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop