時計の針の行方

午後の帰り道

内海は、すぐさま階段を降り下駄箱へとたどり着いた。
かなり速いペースで歩いてきたので、美空が下駄箱にたどり着いたのは、内海が靴を下駄箱から取り出しているときだった。
しかし、それに構うことなく、内海は上履きを下駄箱の中に放り込んだ後、自宅に向かってさっさと歩きだした。

一方、美空は、急いで下駄箱から靴を取り出すと同時に、下駄箱に上履きを入れたのを確認した後、内海に向かってダッシュした。

ピッピッ、ターゲットを確認します。
ターゲット、残り、15m、10m、5m、3m、 ゼロ

「ぐはぁ!!」
美空は、内海に近付くと、後ろから内海に飛びついた。
予想外の攻撃をくらった内海は、耐える間もなく地面に倒れこんでしまう。
美空の腕が首に巻き付いたまま。

「うー、つー、みー、クーン。あなた歩くのがとっても速いわねー」
美空は、腕に巻き付けた右腕に力を入れながら内海に話しかける。

「ちょっ…マじ、く、、苦しい」
内海は、首を締めてた手を強引に振りほどくと、美空に向かって怒鳴り声をあげる。

「…ッ、ふざけんな!どういうつもりだよ!」
多少、息を荒げながら美空に言った。
しかし、美空はそれに動じた様子を見せることなく、先ほどの衝撃で落とした自分の鞄を拾っていた。(内海の鞄は、拾わないでほったらかしのまま)
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