時計の針の行方
「おい、それってどういうことだよ…」

内海は、困惑していた。
内海の家は一軒家なのだが、自分の部屋が一つしかなかった。
さらに、父親は幼い頃に他界してしまった為に、現在は母と2人で暮らしている。
問題は、空いてる部屋が一つしかないこと。
これは、さすがにマズい。
と、内海は思っていた。


「え?お母さんから聞いてないの?国内留学だから、家にお世話になるって。
一ヵ月以上前から、了承は得てるはずなんだけどなぁ…」

初耳だ…
とりあえず、このことは母さんに問いただしておかないと…


2人は、十字路を左に曲がる。
ここまで来ると、家までもうすぐだ。
先ほどまで、一応、道路だった道が完全に砂利道に変わる。
内海が自転車で、学校に登校しないのもそのせいだ。
この辺は整備されてない道が多く、どうしても自転車だと不便な面が多いのだ。
砂利道を歩きながら内海は訊いてみた。

「なあ、今日から俺と一緒の部屋なんだが構わないか?」

それを聞いた美空は、驚いた顔で内海を見つめ、すぐさま答える。

「なっ、なんで男の人と一緒の部屋なのよ!!」

あー、やっぱり。
内海は納得した。
年頃の女の子が、異性の部屋に泊まるのはさすがにな…

こうして、話してるうちに自宅へと着いた。
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