虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


その後、目を覚ました睦月は山崎さんと話していたのだが・・・



山崎さんの顔を見て、目を逸らした。


そして僕に“ありがとう”、と言った。


でもその顔はどことなく悲しそうで―――


僕は寝たほうがいいと言った。


けど、本当の所、こんな悲しそうな顔を見たくなかった。


そのまま眠ってしまった睦月の顔は、さっきと違って安心したような顔をしていた。



辛い過去を抱えた睦月・・・そんな睦月がもう一度人を信用できるように。


幸せになれるように、もう一度光を見られるように、未来に向かって歩けるように―――


守ってやりたいと、そう思った。



*藤堂side end*
< 175 / 858 >

この作品をシェア

pagetop