虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
藤堂さんの声なんて一言も・・・
わたしは後で、藤堂さんの雷が落ちることを覚悟して走り続けた。
揉め事はある茶屋の前であった。
人だかりが出来ていたので直ぐ分かったから良かったけど・・・
その人だかりの中がどうなっているの分からない。
うん、何にも見えない。
「すみません、通してください」
わたしは人ごみを掻き分けて中に入る。
そこには・・・刀の切っ先を向けられて、涙を浮かべている少女の姿があった。