虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「えっ、あぁ、夕餉だって。爆睡だったな~」


僕はクスクス笑いながら睦月に話しかける。


「すみません・・・」


申し訳なさそうに謝ってくる睦月を立たせ、夕餉に向かう。


今も無表情だが、声には少し感情が入り始めている。


そんな睦月には、どんなことがあっていても笑っていてほしい。


僕の・・・弟には。


涙なんて流してほしくない。


だから・・・笑って。


僕の・・・、僕の本当の弟の代わりに・・・




*藤堂side end*

< 211 / 858 >

この作品をシェア

pagetop