虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「え・・・?」
今、こいつなんて言った?
僕のどこが怖いんだ?
訝しげに眉をひそめていると、一条が遠慮気味に言った。
「睦月、昔目の前で伯母さんが殺されましたよね?
多分、そのときの光景が被ってしまったんじゃないかと・・・」
忘れてた。
未来の人が、ではなく睦月は人が死ぬのを恐れている。
たとえ、それが知らない人であっても――
あいつにとって、人の死はただの恐怖でしかない。