虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
自分を犠牲にするのは――――
わたしは、コソッと話す。
たぶん、土方達が来てしまったら、この人の粛清が近くなったら・・・
もう、話せなくなるだろうから。
「――――・・・」
小さな、小さなわたしの声は、あなたに届いたのだろうか?
芹沢さんは、黙ったまま。
だが、わたしの声は届いていたようで。
スタスタと、屯所のほうに歩いていった。
右腕のような存在だった、新見さんを亡くしたその後姿は・・・
寂しそうで、悲しそうだった。