虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


内心げんなりしていたわたしは、前を向いた。



「・・・藤堂さん、分かってますよね?」


「――――分かってます」



後ろで、伊東が平助君に話しかけていた。


何が分かったのだろう?


でも、平助君の表情を見ている限り、いい感じの話ではなさそうだ。



だって・・・


平助君は悔しそうな、悲しそうな、泣き出しそうな――――


そんな表情をしていたから。


< 584 / 858 >

この作品をシェア

pagetop