虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「死んだよ」



憎いと言わんばかりの表情。


わたしは、後ろで倒れている三浦を少しだけ見る。


腹から血を流し、目を見開いて倒れていた。



「鈴・・・こ、っち向いて?」



弱々しげな平助君の声に、視線を戻す。


ベッタリと血が付いた顔。



でも・・・苦しげな声とは裏腹に、目には穏やかな光があった。


ヒューヒューと、喉から息がもれる。


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