虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


地面に落ちた、涙の跡を消して、目元を力任せに擦る。


そして、何事も無かったように、土方に笑いかけた。



「辛くっても、笑うしかないんです。


そうすれば、強くなれますから


泣いたら・・・平助君が、悲しむでしょう?」



そう言い、立ち上がって来た道を戻る。


空になった巾着袋と、平助君の髪紐を握り締めた。



曇り空は、もう晴れた夕焼けの空へと変わっていた。

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