虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「やぁぁぁぁぁぁっ!!」


玖於の声と共に、竹刀の当たる音がする。


玖於の相手の竹刀は、道場の端っこに飛んでいった。


わたしは、その稽古を見ながら、後ろに隠している紙束を握り締めていた。



「一本!! 勝者一条!」


「「ありがとうございました」」



稽古が終わったのだろうか?


道場から出てくる玖於に駆け寄る。


わたしに気が付いた玖於は、ニコリと微笑み汗を拭っていた。

< 796 / 858 >

この作品をシェア

pagetop