虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


『ザァァァァァァァァ』



雨ではない、強い風の音が屯所を揺らす。


しかし、空は晴れ渡っていて。


昨晩降っていた雨跡も、もう跡形も無く消えていた。



「睦月、どこか行くのか?」


「はい、ちょっと」



土方が、声をかけてくる。


わたしは、風呂敷包みに線香を入れて立ち上がる。

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