ハンドパワー
北郷勇人が言う楽しいことって、どうせ私を陥れることなんだよ。
そんなことわかってる。
それなのに断れない。
またなんかされそうで。
―北郷勇人の部屋―
ドンッ
「イタッ…」
私は北郷勇人の部屋に連れていかれると、突き飛ばされた。
この人、本当にどうしたんだろう…
学校帰りだから、学校で何かあったのかな…
「ばらすぞ」
「え?」
「お前の過去をばらすぞ」
「いいよ、ばらして」
もう私はばらされてもいい。
だってさっき溺死しようとしたから。
要するに自殺だけどね。
「は?」