ハンドパワー
そして温秘は両親の棺に入る前の亡骸を見て、固まって…
自分が何をしたのか、理解して、狂気して…
そのまま倒れたんだ。
それからしばらく目を覚まさなかったんだ。
それでやっと目が覚めたかと思えば、
渡辺さんに両親の居場所を聞いて…
きっと倒れたときに記憶がなくなったんだと思うよ」
「そっか…」
春の説明に、短い返事をすることしかできなかった。
―家―
私は帰ってすぐ、リビングへ行き、椅子に座り、手紙を読んだ。