太陽と月



「私…女子高ではないですか?小学校と中学校は共学でしたけど…男子を呼び捨てになど…いとこにしかしたことなくて…」


顔を真っ赤にして説明する月花。


女子高ってそんなに関係ある?


「俺は逆にさん付けで呼ばれるの慣れてないんだけど…」


俺は普段女子でも男子でも“野村”か“陽”で呼ばれる。


「え…あの…」


「ん?」


ってか、俺こんなに女子と話すの初めてかも。


姉ちゃんは別だけど。


「敬語も…やめた方が良いですか?」


うつむいたままの月花。


こんな女子に俺は学校では絶対出会わない。


「うん、やめて欲しい」


月花は意を決したように顔を上げる。



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