水面に映る影は永遠へ続く


ふと外からひぐらしの鳴き声がした。



「ひぐらしか…。そろそろ夏も終わりだな」



俺は文机の前から立ち上がると縁側に出た。



空は茜色と紫、 藍色が綺麗に三層に分かれ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。



「さ――ん」



ふと庭から声がした。



一瞬此処は八木さん家だから本人またはその家族だと思った。



でも――。



「今の妃絽の声だよな…」







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