《俺様的》彼女の手なずけ方
体育館までの移動中、みんながソワソワしているのがわかる。




「ねぇ、今からなにがあるの?」





「ウチの学園の恒例行事、各学期の始まりに開催される、“今日から俺のプリンセス”だよ」




「……プリン…セス?」




聞きなれない言葉に、呆気にとられてしまう。





お金持ち学校には、独特の行事があるんだね~なんて呑気に考えていたら。





「ナル様に指名された~い」





なんて、天音ちゃんが甘い声を出す。












「ナルって……アイツ?」




あたしの知ってる“ナル”は、今のところアイツ……




三好鳴海だけ。




それに天音ちゃんがそんな風に言うなら…きっと、そうだよね。




< 109 / 711 >

この作品をシェア

pagetop