《俺様的》彼女の手なずけ方
清香さんが、パンパンと二度手を叩いた。



途端に、執事が部屋の中へと入ってくる。



「こちらのお嬢様に、悠庵の着物を準備してちょうだい」



……はい、今なんと?



なんだかとんでもない事態になっている気がした。



「あ……の、あたしもう帰らないと……」



これ以上いたら、マズい。



「遠慮しなくていいのよ。あなたは……ナルのプリンセスですものね。

恥をかかせては、わたくしがナルに怒られてしまうわ」



わ……、この人、あたしのことを覚えてたんだ!?



天音ちゃんを誘ったときは、ついでにどうぞ的な感じだったけど。



さっきだって……。






だけど、どうやら違うところに目的があったみたい。



あたしがナルにふさわしいかどうか、値踏みしてるの?



< 240 / 711 >

この作品をシェア

pagetop