《俺様的》彼女の手なずけ方
「だけど、親父の会社が一度倒産しかけたとき…アイツ、なんて言ったと思う?」


「え…わかんない」


小さい頃から苦労知らずかと思ったけど、そうじゃない時期もあったんだ。


「カッコ悪いって…」



「…え」



「三好ブランドがない俺は、カッコ悪いって。アイツは確かにそう言った。

俺は俺なのにな。バックにそれがなきゃ、人として認めてもらえないような気がしたよ」



「そんな…」



「みんな、そんなもんだって。人なんて、信用ならねーなって思うようになった。

信じるのが、怖くなった。今は味方でも、明日は敵かもしれない…」


「…………」


ナルは、やりきれないといった表情をみせたあと、口を真一文字に結んだ。


なんだか泣くのを堪えているような、そんな雰囲気にも見える。


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