《俺様的》彼女の手なずけ方

「どれだけ焦らすんだよ」



「焦らすって！恋愛は、もっとゆっくり進むモノなんだからっ。

少しずつ気になって、だんだん心惹かれて、それからでしょ!?キスなんて……」



「あ～、面倒な女だな。前置きなんてどーでもいいんだよ。俺がお前を好き。それだけでもう、全てが成立してるだろ？」



「ハァ……そんなの、普通の恋愛じゃないから」



「別に普通なんて望んでないけどな？俺と一緒にいたいなら、俺に従えよ。それでオールＯＫだ」



「オールＯＫって、なにがよ」



全然話にならないよ。







「人を信じるのが怖くなったって言ってたくせに。人の気持ちを考えられないようなヤツだから、裏切られるんだよ」



「今のところ、裏切られたことはないけどな？俺に逆らえるヤツなんて、いないし」



「だから、そーいうところが傲慢だって言ってるの！あたしと出会って、変わったみたいな言い方をしてたけど、全然変わってないじゃない」



屁理屈で返してくるナルに、ムキーッ！ってなっていると、ナルがアハハと声を出して笑いだした。