《俺様的》彼女の手なずけ方
どのみち学園を去ろうと思ってはいたけど、あともう少し時間が欲しかった。



去ろうと思うと、ここにいた時間が恋しくなる。



まだセレブ学園で過ごしたいって思うあたしがいる。



だけど……そう言ってもいられないみたい。



さっそく、久しぶりにお母さんにメールをいれた。



【ホームシックにかかっちゃったかも…あたしもそっちに行こうかな】



ホントは、そんなことない。



だけど、そう書くしかなかった。







そしたらすぐに電話がかかってきて、お母さんの嬉しそうな声が聞こえてきた。



「葵、やっと一緒に来る気になったのね!?すぐにチケットを用意するから、こっちに来るのはいつでもいいわよ」



「うん…」



「葵はしっかりしてると思ってたけど、やっぱり子供なのよね」



「そんなことないもん」



「楽しみだわ~、こっちに来たら一緒にお買いものしましょうね」



お母さんの嬉しそうな声を聞いていると、なんだかホッとしてきた。



そうだよね……あたしがそこまでして日本に残ろうと思った理由ってなんだったっけ。



ただ、海外に住みたくないって思っただけで、大した理由なんてなかった。



こんなに喜んでくれてるし、早くお母さんたちのところへ行こう。



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