空色縞瑪瑙




「皆、ちゃんとわかってるよ。空が頑張りやさんで、優しいってこと。」



ひなたは昼休み、私を屋上へと連れていってくれた。


朝の天気とは打って変わり、青空が広がっていた。



私は、思わず青空に手をのばす。


どんなに手を伸ばしても、青空に手は届かない。


まるで海のようだ。


手を伸ばしても、届かなかった。



私は、かざした自分の手を見つめた。

そして、自分の腕のブレスレットを見つめた。


空色のブレスレットは、雨上がりの空と同化していた。









一話 終わり






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