二人ぼっち
 冷たい考えのせいで、1学期に出来た友達はたった一人。
名は、片倉 柚夏(かたぐら・ゆか)。
一人で居たい私の気持ちを考え、ずっと付き纏ってくるわけではない。
挨拶や弁当を食べる時、ペアを作る時間に話すだけ。
それがとっても居心地が良くて… 本当に柚夏は大切な友達。


 柚夏が好きな理由は、気遣いが出来る所だけではない。
口はとても悪いし、とても気が強い。それでも人を優先することが出来る。困っている人を助けることを毎日の日課にしているぐらい、優しい心を持っている。
そんな柚夏の性格全てが好きなんだ。

 だから柚夏の為なら、自分を犠牲に出来る…。


 一学期には色々な行事があった。その中には“絆”を作るだの、馬鹿げた目的もあった。
そういうのが大嫌いな私は、協力なんてしなかった。もちろん柚夏も。
まだ高校生活は三ヶ月ちょいだけれど、確実に私と柚夏はクラスから浮いている。

 柚夏が居たなら、それで良いけれど…。
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