官能小説 ◇TABOO◇
大人の男は危険だよ

私はその男の前に並ぶ。

男は穏やかな笑顔で
順に応対し
相手を満足させていた。

高校の近くにある図書館

イケメン司書が入ったと
今話題の人物。

列から顔を出し
男の顔を覗く

さらっとした茶色ががった髪
ノンフレームの眼鏡が似合う、優しい顔。

イケメン司書は
どんな本でも
探してくれるという話。

アンパンマンから孔明まで
編み物から登山まで

例え
題名がわからなくても
内容を聞くだけで
全てを教えてくれるという。


だから私は男に問う

自分の番になり
優しい顔した男に問いかける



「膝が崩れるような、官能小説はどこですか?」

すると男は
一瞬ためらった後

「一番奥の郷土の歴史の棚ですね……」

小さな館内案内図を
長い指で添え
私に微笑んだ。






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