お嬢様になりました。
竜樹が喧嘩が強いのは知ってるけど、できる事なら喧嘩なんてしてほしくない。



「竜樹君なら大丈夫だよ」

「うん……」

「最近ね、前に比べて喧嘩しなくなったんだよ」

「竜樹が?」

「ほらね」



華が笑って指差す方には、不良達が慌てて立ち去る姿があった。


喧嘩はしてないみたいだけど……。



「何で?」

「んー……私もよくわかんないんだけど、最近は竜樹君の顔見たりだとか、名前聞いただけで逃げちゃうの」



それって有名になり過ぎてるって事なんじゃ……?


私が思っている以上に、竜樹は不良の中でも恐れられてるのかもしれない。



「終わったみたいだし、私たちも行こう」

「うん」



華に手を引かれ、竜樹の元へ向かった。


私が鳳に通う様になってからの短い間に、華は少し強くなった気がする。


竜樹の影響なのかな?



「竜樹君、大丈夫?」

「あぁ、問題ねぇよ」



鳳の男子生徒を見て驚いた。


相手も私を見て驚いてる。



「山口君!?」

「ほ、宝生院さん!?」



山口君と声が重なった。


まさか絡まれてたのが山口君だったなんて。


無事で良かった。






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