お嬢様になりました。
「あいつは従兄弟の夏帆」

「従兄弟!?」



まさか従兄弟だとは思わなかった……。


完璧私の勘違いじゃん。


恥ずかし過ぎる。



「昨日男にふられたとかで、勝手に乗り込んできて、勝手に泣きわめいて、勝手に泊まりやがったんだよ。 恥ずかしいから誰にも喋るなだと」

「……そうだったんだ」

「マジ勝手な奴」



悪いけどソックリだよ……とは言えず、苦笑いを浮かべ黙っていた。



「婚約の事なんだけど……」

「婚約解消は無しだろ。 っつーか、まだ誰にも話してねぇから、今までとたいして変わんねぇよ」

「……は?」



今何て?


誰にも話してないって仰いました?



「それどういう事!?」

「何だよ、解消してた方が良かったのかよ?」

「そうは言ってないけどっ……言ってないけどさぁ……」



ガックリ項垂れ、隆輝の胸に体を預けた。



「あれだけゴチャゴチャ考えた私って……いったい何だったんだろう……」

「あ? 何ボソボソ喋ってんだよ」

「何でもない!!」



ガバッと体を起こすと、ビックリした顔をした隆輝と目が合った。


たくさん悩んでたくさん泣いたけど、今が幸せならそれでいっか。



「幸せにしてね」

「当たり前だろ」



私たちは顔を見合わせ笑みを零し、まばゆい太陽の光に照らされ、再び唇を重ねた。





fin.

< 359 / 360 >

この作品をシェア

pagetop