しいと星屑



「ねえ千文ちゃん…!」


雪乃ちゃんは私の方に
元気良く振り返った

まるで自転車に乗れた瞬間に
親を見る子供のような笑顔だった

「何…?」

私は、そんな彼女のテンションを
思いっきり盛り下げる声を出した

もっと明るく言えたんじゃない…?


「新見くんともっと話してみたいかも」

と、

目を輝かせながら言うもんだから

私はつい、言ってしまうんだ

「頑張ってね…!応援してるから…」




あーあ


馬鹿だな、私。



馬鹿そのものだよ



誰か私を叱ってください


こんな、臆病で惨めでゴミクズみたいな
弱々しい私のことを。




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