爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~

「オナゴというものは、男にカラダを許す時は理由が欲しいもの…夜這いとはいえ、理由は欲しいのだろう?」


耳元で囁く声に、ピクリとカラダが反応してしまう。


シュルリと布の擦れる音がして。


強く肩をつかんだはずの私の手を取ると、その布を両手に巻きつけた。


きつく巻きつけられたはずなのに、柔らかい…まるで絹のような肌触りで。


身動きは出来ないのに、不思議にも痛みは感じない。


…違う。


痛みを感じないのは、これが夢だから?


きっと、棚にでもぶつかって。


打ち所でも悪くて、脳震盪(のうしんとう)でも起こして。


変な夢でも見ているんだと思う。


そうじゃなかったら、こんなシーンに出くわすこともない。


こんなイケメンも見たことないもん。


「これなら、言いわけもできるであろう?」


耳にかかる甘い言葉に。


夢ならこの状況、少しは楽しんでも…いいよね?


私って、身持ちは堅いつもりだったけど。


実は尻が軽かったって思った。


軽いかどうかは。


比べる物差しは…現実の世界じゃ無縁だから。


比べようもないけど。


でも、相手が見たこともないようなイケメンだからなのかな?


…違う。

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