無題(空間)

薔薇色だった。
白と青、それだけの世界だったのに・・・
今ではハッキリと分かるように
紅(あか)色が満ちている。


そこは銀世界だった、しかし
紅色が銀を塗り潰していく。
空気は物を冷たくし・・・
また、白が物を染めていく。


しかし、わずかに温かみが
残っているのは何故なのだろう?
夢なのだろうか、現実なのだろうか。


ハッキリとはしない・・・
ハッキリとできない。
不愉快だったが、今はそんな
感情を抱いている暇はない。


すでに意識など、なくなってしまいそう
なのだが、消えないこの空間に
今は動くこともできない。


せめて、これが目の前から
消えてしまうような、夢であってほしい。
つまらないのだ、感じないのだ・・・


せつなく哀しく、それでも理解できない。
なんてあっけないのだろう
みじめなのだろう。


紅は一つではなかった。
白の上には紅、紅、紅・・・
白を染める無数の紅。
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