午前0時の図書館で
彼は、懐中電灯を点けて暗い館内を照らし出した。

「今日こそは見えるといいわね」

私はそう言って、彼に抱きつく。
ぬくもりのない身体の感触は、残念ながら彼には伝わらない。

「……やっぱり本の位置が変わってる」

怖々と彼が呟くのを見て、私は背後を振りかえった。
子供達が悪戯が見つかったような顔をして、クスクスと笑っている。
私も笑った。

「ねぇ、早く気づいて」

私達の存在に。
成仏できない私達を、あの世へ導く方法を教えて。

ううん、それよりも。
私達と遊んで。

―おわり―
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

月、満ちる夜に

総文字数/16,709

ファンタジー73ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 ある日、香月(かづき)は教室に見知らぬ生徒、伊達君をみつける。  彼のことを、入学して三年間同じクラスだという友達。  いつからいたのか、曖昧な記憶を整理していく香月だったが、やがて彼の正体を知ってしまって……。 NKST短編賞、エントリー作品です。
俺様陰陽師

総文字数/27,432

ファンタジー117ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
野いちご用に好きに書いてます。 稀代の陰陽師、安倍晴明の子孫、安倍キヨリ。マスコミにもてはやされた彼は、中学卒業と同時にマスコミ界から姿を消した。 一方、関西のとある県立高校に進学した芦屋ユズナは、クラスメイトになった陰気でもっさい頭の今どきいるか? っていうビン底メガネの少年との奇妙な関係を持つことに……。 「見たな、ドブス」 「はい…………?」 ドブスって誰のこと言ってんだ、コノヤロー! 「おい、ストーカー女! いい加減つきまとうの止めろ」 「止めない! あたしの告白受けるまでは!」 「…………しつこい」 「そりゃあそうよ、こっちは命がけなんだから」 「だからって男子トイレの中まで入ってくんな! ドアを叩くな! 壊れるだろうが!」 「だったら小用便器でしなさいよ。終わるまでおとなしく待つからさ」 「…………ヘンタイ」 「ん? なにか言った?」 「なんでもない、ドブス。…………おい、使用後の便器を覗き込むな! そもそも女が男子トイレに入ってくんな!」 口の悪いこの彼は、不幸なことにあたしの運命の王子さまでした。 安倍葵衣(あおい)×芦屋ユズナ 恋にはほど遠い、ふたりの仲はどうなるんでしょうか。 「「どうにもなるか!」」 いえいえ、それは作者次第( ´∀`) 舞台は関西ですが、関西弁を標準語で書いています。 亀更新。
塔の中の魔女

総文字数/35,765

ファンタジー89ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ある罪により、五百年の年月を塔に幽閉されて過ごした少女。 エカテリーナ・フランツィエ・メイジェフ。 十歳にも満たない容姿は、罪により自ら呪いをかけたから。 彼女の背負う罪とは? 失われた楽園を求めて、塔からの解放を受け入れた彼女の前に現れたのは、弱冠十八の王。 ロゼリン・エフゲニー・アンテロス・マジエフ。 彼の目的はなんなのか? エカテリーナは、ロゼリンの頼みにより、自分の知らない五百年もの歴史を知ることを条件に、王国に留まることを承諾する。 13'1.17〜 完結の見通しが立ってません。なのにGPエントリーしちゃった。……スイマセン(^o^;)

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop