あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
タクに暫く会うのをよそうとメールした。

死ぬなと感じた時タクに電話をしたら、薬なんか飲むからだと電話を切られたからだ。

普段弱音を吐かない泣かない江梨だから、タクは何も気づかない。

江梨が何をどれだけ思い詰めているのかを。


何を言われて悲しいのかを。

タクが勤続十年の旅行券を貰った時も、タクは江梨はどこにも行けないからとさっさと換金した。

江梨だってどこだって行きたい所はたくさんある。

お互いの故郷であったり、ディズニーランドだったり、横浜の港が見えるホテルに泊まったりしたい。

「江梨が行けないから」

と言われたのはヒロの浮気相手からも同じで、タクから聞いた時ひどく江梨は傷ついた。

ケイのこと、タクのこと、辛く思うと同時に消えてしまいたかった。

ケイに疎まれ、タクに薬なんか飲むからと切られ悲しかった。

自分が憎かった。

タク、あなたは身内の死に目には行くと言って、江梨は仕事に穴をあけられないから行けないと言ったけど、それなら誰が死のうと帰省しないで欲しい。

そんな気持ちで江梨はタクを許せなかった。


< 207 / 224 >

この作品をシェア

pagetop